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3月の徳目「智慧希望(ちえきぼう) 」

(この記事は、正光寺保育園各園の園だよりに掲載している住職からのお便り内容を転載しています)

 今月の徳目は「智慧希望(ちえきぼう)」です。

「智慧」とは、ものごとの本質(真理)を認識する、心の能力のことです。

この能力を拠り所として日々を過ごすことで「希望」に満ちた未来が広がります。

私たちの日常は判断や決断の連続です。生まれてから死ぬまで、今この瞬間も、この文章を読むか読まないか判断し、読むことを選択していただいたのです。

日常の些細なことから、「どの会社で働こうか」「どんな場所で暮らそうか」といった人生の節目に訪れる大きな決断まで、私たちは、実にさまざまな判断や決断を繰り返しています。

そしてこれらを判断するとき、私たちは「どちらが良いか(悪いか)」あるいは、「どちらが正しいか(間違っているか)」を考えているでしょう。

このような考えは些細なものごとの決断に対しては、多少大袈裟かもしれませんが、それでも多くの場合「できるだけ後悔しないように、失敗しないように」と考えているのではないでしょうか。

判断や決断をすること自体に正解もしくは不正解というものはありません。どのようなことにも正誤、善悪、長短がありますから、判断すべきことをよくよく吟味した上で最後に残るのは「単なる選択」です。

ずばり、私たちにとって最も大切な事は、自身の選択がより良いものになるために考え行動し続けることです。

そして、このように常に考え行動し続けることによって、徐々に「智慧」の全容、つまりものごとの本質(真理)を認識する心の能力を獲得することができるのです。

さらに、智慧の理解が進むにつれて、自ら考え行動することの質が向上していきます。智慧と行動は車の両輪のようなものなので、どちらも欠けることのできない関係です。この繰り返しが「希望」そのものなのです。

では、ひたすら考え行動し続けるための原動力になるものとは何でしょうか。それは、飽くなき探求心、あらゆるものごとに対する興味と関心です。だからこそ、幼少期から本人が抱いた興味と関心を尊重することがとても大切なのです

正光寺保育園では、このように「智慧希望」をもって生きていくための土台を築くために、子どもたちの興味と関心を大切にすること、自ら考え行動していく保育を大切に実践しています。