取り組み

effort

世代間交流プログラム

高齢者世代との交流の意図

老いも若きもそれぞれの世代は、各々得手不得手を持ち合わせています。保育園に関係の深い子育て世代のそれに注目すると、活力と行動力があり、大切な子どもを立派に育てようという情熱に満ちあふれています。

その一方で、どうすればしっかりと子育てをしていくことができるのだろうと、不安な思いを抱えながら日々を過ごしていることも多くあります。また、高齢者世代に目を向けてみると、若い頃のような活力や行動力は衰えたかもしれませんが、長年培った経験や智慧は、若手世代にとって大変ありがたいものであります。

 

このプログラムは、そのように子育て世代や保育スタッフだけでは対応しきれないことについて高齢者の経験や智慧を借り、より良い保育や教育をすることを目的としております。これは、単に幼児教育の質の向上に寄与するばかりではなく、高齢者にとっても生き甲斐や社会貢献、伝統文化の継承といった役割を担って頂くという側面もあり、非常に有意義なプログラムといえます。

プログラムの内容

高齢者との交流プログラムは、大きく分けて以下のものがあります。

 

■高齢者に作業や演目などを見てもらう要素の強いもの(披露型)

 例:歌・手遊び・七夕の笹飾り・折り紙

■高齢者と一緒に活動する要素の強いもの(共同型)

 例:風船バレー・紙芝居

■共助の関係を構築するもの(共助型)
 例:備品のプレゼント・笑顔のプレゼント・感謝のプレゼント

 

披露型は子どもたちの記憶に残りやすく、家庭でも話題にあがりやすいという研究結果があります。また、共同型は社会性を育てるのに寄与すると考えられ、いずれも幼児期の体験としては極めて価値の高いものといえます。最後の共助型については例を挙げてみますと、子どもたちが必要としているおもちゃや備品などを高齢者に作って頂きます。それに対して子どもたちは、笑顔と感謝の気持ちを高齢者にプレゼントします。これにより子どもたちは、礼節(情操教育)を身につける機会を得ることができるのです。

 

以上、列挙した内容をはじめとする様々な企画をどこまで、どういった形でおこなうかについては高齢者側の状況なども含め総合的に検討しながら進めてまいります。この世代間交流プログラムは、当園が保育目標や教育目標に掲げる社会性を育てることに通じるものであります。

教育効果

このプログラムは社会性を育てることを教育の主旨としていますが、具体的には以下のような教育効果が期待できます。

 

■人の考えや周囲の状況を理解しようとする力

■他者に対して心遣いをする力

■生き物の死に対して悲しむ心の力

 

ここに挙げた教育効果はほんの一部であり、広く社会性を育む上で重要な役割をするのがこのプログラムの特徴なのです。そして、こうしたことの繰り返しにより、やがては生きる上で遭遇する様々な問題にも対応できる智慧ある大人へと成長していく土台作りができると、私たちは考えています。